世紀が変わっても、世に争いの種は尽きまじ。もしかしたら21世紀は、戦争の20世紀よりも、暗黒の時代を迎えるかも知れない――。ヨーロッパを中心に根を張った千年以上の歴史を持つ、ある血筋。彼等は自分達をリム(大枝)と呼び、R(レッド)・リム(赤)とB(ブラック)・リム(黒)の二派に分離している。赤の長老会議によって黒と特定されるのは、世の法に反して生を営む者達。時代時代ごとに赤によって「野焼き」と呼ばれる黒狩りで、自浄制裁を行い、歴史を救ってきた。そして今世紀初の野焼きのため、赤の指揮官三人が選出された。コードネーム、"オレス"、"デュール"、"ドゥラン"。今まで生きてきた全てを捨て、世界各地での黒狩りを始める。

性同一性障害を背負ったオランダ人レグナは、世界各国の警察機構が法の呪縛で成し得ない汚れ仕事を専門にこなす半地下国際組織"ソアカス"によって、性転換手術を受けさせてもらう代わりに、組織のエージェントになることを承諾する。女性になったレグナにソアカスがつけた教官兼パートナーは、アニールというソアカスきってのトップ・エージェントだった。しかし訓練を受け、ミッションをこなすにつれ、アニールの過去が浮かび上がってくる。